- ショートドラマ制作
企業のショートドラマ成功事例を紹介!制作のポイントや費用相場も解説

- 最終更新日:2025/04/23
- 公開日:2025/03/05
若い世代を中心に人気を集め、新たな広告手法としても注目されているショートドラマ。ショートドラマを制作し、自社のプロモーションに活用したいと考えている企業も多いのではないでしょうか?
本記事では、企業がショートドラマを活用する際のポイントや成功事例を紹介しています。プロモーションとしてのショートドラマ制作を検討している方は、ぜひご覧ください。
目次
ショートドラマとは
ショートドラマとは、1~3分程度の短い時間でストーリーを展開する動画コンテンツのことです。中国で流行に火がつき、2024年頃から日本でも人気が拡大しています。
ショートドラマを企業が活用する場合、大きく分けて以下の2つの目的で制作されます。
- 企業のプロモーションを目的に制作する
- 配信アプリ内での課金を目的に制作する
1つ目は、企業のプロモーションとしてのショートドラマです。主に商品やサービスの認知度向上を目的に制作されます。
2つ目は、配信アプリ内での課金を目的としたショートドラマです。最初の数話は無料で視聴でき、続きを視聴するには数十円~数百円の課金が必要になる仕組みになっています。
制作会社によっては、どちらかの制作に特化している場合があります。依頼の際は、制作会社がどちらを得意としているのかを確認しましょう。ショートドラマをどのように活用するべきか悩んでいる場合、企業プロモーションと課金型、両方の実績がある制作会社に相談するのがおすすめです。
この記事では、企業のプロモーションとして制作するショートドラマについて解説します。
企業のショートドラマ活用シーン
短時間で商品やサービスの魅力を伝えられるショートドラマを活用し、マーケティング施策に取り入れる企業が増えています。企業がショートドラマを活用する目的としては、以下のようなものがあります。
- 商品やサービスをドラマのなかでPRする
- 特定の地域を舞台にドラマを制作し、観光・移住誘致につなげる
- 社風や職場の雰囲気を伝えるドラマを制作し、採用活動に使用する
それぞれの成功事例は記事の後半で紹介します。
企業におけるショートドラマ活用のメリット
企業がショートドラマをプロモーションに活用するメリットは、以下の5つです。
- 広告への抵抗感なく動画を見てもらえる
- 共感性・没入感が高く、印象に残る
- ストーリー性があり、利用シーンを想像してもらいやすい
- 低コストでスピーディーに制作できる
- テレビを見ない層にもリーチできる
以下で詳しく見ていきましょう。
広告への抵抗感なく動画を見てもらえる
ショートドラマは従来の広告よりも広告らしさが薄く、最後まで視聴されやすいのが特徴です。
「TikTokのショートドラマ広告に対する印象を教えてください」というアンケートでは、Z世代の約86%がTikTokのショートドラマ広告にポジティブな印象を持っていることが分かっています。(※)
従来の広告はたった数秒でもスキップされることがありますが、ショートドラマはそのストーリー性の高さから抵抗感なく視聴されやすい点が魅力です。
共感性・没入感が高く、印象に残る
ショートドラマは起承転結がスピーディーに展開され、最初の数秒で目を奪われる印象的なコンテンツが多くあります。また、日常的なテーマを扱うことも多く、ユーザーが親近感を持ちやすい出演者が登場する点も特徴的です。
ショートドラマはバズるとSNSで何度も流れるため、印象に残りやすく、ふとした瞬間に商品やサービスを想起してもらえる可能性が高まります。
ストーリー性があり、利用シーンを想像してもらいやすい
ショートドラマを広告として活用する場合、映像内に自然な形で商品を溶け込ませる「プロダクトプレイスメント」という手法が多く用いられます。そのため、ストーリーを通じて商品やサービスの利用シーンを視聴者に想像してもらいやすい点がメリットです。
また、通常のテレビCMは15秒~30秒程度ですが、ショートドラマは数分間の動画が一般的です。広告としては尺が長く、利用シーンをより長くユーザーに見てもらうことができます。
低コストでスピーディーに制作できる
テレビCMの制作費は、一般的に100万円以上、有名タレントを起用した場合は5,000万円を超える場合もあります。一方、ショートドラマの制作費は数十万円~千数百万円が相場であり、比較的安価で制作可能です。制作期間は平均1~3ヶ月程度とスピーディーに制作できます。
また、企業のショートドラマは自社のSNSアカウントで配信することが多いため、テレビCMのように放映枠を獲得する手間も必要ありません。
テレビを見ない層にもリーチできる
ショートドラマはSNSで配信されるため、テレビを見ない層にもリーチできる可能性があります。
実際に、地上波ドラマよりもショートドラマの方がZ世代へのリーチ数が高かったというデータもあります。日本テレビの事例では、地上波ドラマは1話の平均到達人数が110.6万人だったのに対し、ショートドラマは1話平均のZ世代リーチ数が175.5万人と、約1.5倍ものリーチ力があったことが分かっています。(※)
※出典: 日本経済新聞|テレビCMよりTikTok Z世代に刺さる「見たくなる広告」
企業におけるショートドラマ活用のデメリット
企業がショートドラマを活用する場合、以下のようなデメリットもあります。
- 拡散力が高いため炎上に注意が必要
- SNS広告よりもコストがかかる
- リーチできる層に偏りがある
デメリットも考慮したうえで、ショートドラマを適切に活用しましょう。
拡散力が高いため炎上に注意が必要
ショートドラマの多くは、投稿が広く拡散され、バズることを目的としています。動画がバズることで大きなインパクトを残せる一方、意図せず炎上してしまう場合もあります。
炎上した場合、以下のような状況に陥る可能性があります。
- クレームが多発する
- 企業やブランドの信頼性が下がる
- 商品の売上が落ちる
- 株価が下がる
ショートドラマを制作する際は、コンプライアンス意識が高く、信頼できる制作会社に依頼しましょう。
SNS広告よりもコストがかかる
テキストや画像がメインのSNS広告に比べると、ショートドラマ制作にはコストがかかります。
SNS広告は制作が比較的容易で、広告出稿も数千円から可能です。一方、ショートドラマは数ヶ月かけて制作する必要があり、費用も数十万円~千数百万円程度はかかります。
ショートドラマを活用する目的や戦略を明確にしたうえで、制作を検討しましょう。
リーチできる層に偏りがある
ショートドラマはリーチできる層に偏りがあることも考慮しなければなりません。
ショートドラマは、スマホユーザーをターゲットにした縦型の動画を基本としています。そのため、スマホで動画を視聴しない人には情報が届きにくい可能性があります。
国内向けショートドラマ配信アプリ「BUMP」を運営するemoleによると、同アプリのメインユーザーは20代女性となっています。(※)自社の商品やサービスが別の層をターゲットとしている場合、必ずしもショートドラマの活用が適切とはいえません。
※出典:emole株式会社のプレスリリース|ショートドラマ配信アプリ「BUMP」Z世代女子を中心に大反響
企業がショートドラマを活用する際の3つのポイント
ショートドラマを活用する際は、次の3つのポイントを押さえましょう。
- ショートドラマ制作の目的を明確にする
- 映像の質とマーケティングのバランスを見極める
- 信頼できる制作会社に依頼する
1.ショートドラマ制作の目的を明確にする
まずはショートドラマ制作の目的を明確にしましょう。
ショートドラマは、あくまでも数あるプロモーションの1つの手段です。ショートドラマを活用するメリットは多々ありますが、必ずしも自社の課題解決につながるとは限りません。
自社の課題を洗い出し、ショートドラマの活用で解決できるかどうかを検討しましょう。自社だけでの判断が難しい場合、まずは制作会社に相談するのもおすすめです。
2.映像の質とマーケティングのバランスを見極める
企業がショートドラマを活用する場合、映像の質とマーケティングのバランスを見極めることが大切です。
ドラマはバズったものの成果に結びつかなかったケースや、反対に宣伝色が強すぎて視聴者に受け入れられなかったケースもあります。
作品の世界観に商材を溶け込ませながら自然に訴求するには、映像のクオリティとマーケティングのバランス感が求められます。
3.信頼できる制作会社に依頼する
ショートドラマの人気が上昇するにつれ、ショートドラマ専門の制作会社やショートドラマ部門を持つ制作会社も増えてきました。
しかし、ショートドラマ市場はまだ黎明期です。一口にショートドラマ制作会社といっても、実績が少ない場合や制作に詳しいスタッフが常駐していない場合もあります。
実績が乏しい会社に依頼した場合、予定どおりに制作が進まなかったり、最悪の場合プロジェクトが頓挫する可能性もあります。過去の実績や作品を確認し、信頼できる制作会社を選びましょう。
ショートドラマの制作フロー
以下は、ショートドラマの基本的な制作フローです。

企画(1~1.5ヶ月) | ・ヒアリング ・企画案・見積り ・脚本・キャスティング |
---|---|
制作(1~1.5ヶ月) | ・衣装合わせ・PPM(※) ・撮影 ・編集 |
確認(~1ヶ月) | ・初稿 ・修正 ・納品 |
※PPM(プリ・プロダクション・ミーティング):撮影前にクライアント企業と制作会社が撮影に向けて最終的な確認を行うこと。
内容にもよりますが、一般的には上記の流れで1~3ヶ月程度を目安に制作が進みます。
ショートドラマ制作の費用相場
ショートドラマ制作の費用相場は、数十万円~千数百万円と幅があります。ショートドラマ市場はまだ発展中であり、業界の相場が決まっていないのが現状です。
制作コストを抑えたい場合、専門の制作会社ではなくフリーランスに依頼する・生成AIを使うなどの方法もあります。しかし、低予算で制作できる反面、クオリティの低い制作物が納品される可能性もあるため注意が必要です。
ショートドラマの制作費用は、以下の関連記事でも詳しく解説しています。
▼関連記事
縦型ショートドラマ制作費の相場は?実績の多い制作会社8選も紹介
企業におけるショートドラマの成功事例
企業におけるショートドラマの成功事例を紹介します。あわせて、自治体のショートドラマ制作事例も解説します。
- コーセーコスメポート株式会社
- パーソルホールディングス株式会社
- 株式会社Morght
- 株式会社エーエスエル
- 福岡県福岡市(博多どんたく港まつり)
- 株式会社読売巨人軍
ショートドラマが企業や自治体でどのように活用されているか、チェックしてみましょう。
コーセーコスメポート株式会社
コーセーコスメポートのショートドラマ『告られたガール』は、日本テレビのTiktokドラマアカウント「毎日はにかむ僕たちは。」とタイアップしたPR動画です。
ストーリーの重要な場面で自然に商品を使用することで、広告感を抑えつつ、購買意欲とブランド好感度を向上させています。同作はTikTok、YouTube、Instagramの自社アカウントで投稿されており、ショートドラマならではのプロモーションの成功例となりました。
パーソルホールディングス株式会社
パーソルのショートドラマ『代われない者』は、働くことの意味をテーマにした作品です。前後編に分けることで続きが気になる展開を作り、視聴者の関心を引きつけています。感情を揺さぶるリアルなストーリーが共感を生み、コメント欄も大きく盛り上がりました。
同作はTikTok、YouTube、Instagram、Xの自社アカウントで配信され、前後編合計で2,400万回再生を突破しています。(2025年3月時点)
株式会社Morght
株式会社Morghtが展開する寝具ブランド「NELLマットレス」と、クリエイター集団「ごっこ倶楽部」がコラボしたショートドラマです。コミカルでテンポ良くストーリーが展開され、企業プロモーションでありながらストーリーのおもしろさが話題を呼びました。
同作はドラマ性と商品のPR要素がバランス良くまとまっており、広告としての押しつけ感が薄いところも人気のポイントです。マットレスを開封する際やラストシーンではしっかりと商品を宣伝しており、印象に残る設計となっています。
株式会社エーエスエル
ショートドラマを採用活動に取り入れた事例です。社内犬のエルちゃんを中心に、会社で巻き起こるエピソードをユニークに伝えています。会社の働きやすさや評価制度など、就活生が気になるポイントをショートドラマを通じて分かりやすくアピールしています。
同社は以前にも採用関連の動画を制作。動画を通して企業理解が深まった就活生から多数の応募があったため、縦型ショートドラマの活用にもチャレンジしたそうです。
福岡県福岡市(博多どんたく港まつり)
福岡県福岡市「博多どんたく港まつり」のショートドラマは、自治体のプロモーション事例として注目を集めました。
歴史ある博多どんたく港まつりへの集客や、福岡の伝統文化への興味を喚起するために制作された作品です。出演者が博多弁で話すなど、地域の特性を分かりやすく伝えています。
株式会社読売巨人軍
読売巨人軍の公式ファンクラブ「CLUB GIANTS」のショートドラマです。ジャイアンツの熱烈なファンであるお笑い芸人・ママタルトの大鶴肥満さんが出演。トレンディドラマ風のコミカルなやり取りを通して、ファンクラブの魅力をアピールすることに成功しています。
同作はプラスクラス・スポーツ・インキュベーション株式会社にて企画、ショートドラマ制作を専門とするnowhere film株式会社が制作を担当。東京ドームで開催するオープン戦や一軍公式戦で放映され、ジャイアンツファンから好評を得ました。
実績豊富な制作会社にショートドラマ制作を依頼して企業のプロモーションを加速させよう
この記事では、企業のショートドラマ成功事例や制作のポイントを解説しました。
企業がショートドラマを活用する場合、自社の課題解決に対してショートドラマという手段が適切かどうかを検討する必要があります。また、映像の質とマーケティングという両方の視点を意識して制作に取り組むことが重要です。

nowhere film株式会社は、映像制作とマーケティングの両方に強みを持つショートドラマ制作会社です。貴社の課題や要望を丁寧にヒアリングし、ショートドラマがどのように活用できるかをご提案します。
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酒井 大輝|nowhere film代表
ショートドラマ制作会社 nowhere film 代表。広告・エンタメ領域で多数の映像コンテンツを手がけ、企業の映像戦略やショートドラマ制作を支援。大手企業やスタートアップのブランディングに携わり、映像を活用したマーケティングを得意とする。シーシャバーやワインバーなど、場づくり事業も展開。