プロが教えるショートドラマの作り方|制作の手順や注意点も解説

プロが教えるショートドラマの作り方|制作の手順や注意点も解説
  • 最終更新日:2025/04/22
  • 公開日:2025/04/22

ショートドラマは短い時間でも視聴者の印象に残りやすく、昨今では企業のプロモーションにも活用されています。

しかし、「どんな手順で作れば良いか分からない」「どのようなストーリーが効果的か知りたい」などの疑問がある方も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事では、ショートドラマの制作手順からストーリーの選び方、マーケティングに活用するポイントまで分かりやすく解説します。最後まで読めば、自社に合ったショートドラマの活用方法が見えてくるはずです。ぜひ参考にしてみてください。

ショートドラマとは

ショートドラマとは、1〜3分程度の短い時間で完結するストーリー性のある縦型動画を指します。短い時間のなかに起承転結を盛り込み、視聴者の感情を動かす演出がされているのが特徴です。

近年では、広告色を抑えて商品やブランドの魅力を伝える手段としても注目され、企業のマーケティングに活用されています。ショートドラマは自然にシェアされやすいため、企業のプロモーションやブランディングに効果的です。

なお、以下の記事では、ショートドラマのメリットや企業の成功事例を詳しく解説しています。ぜひ、あわせてチェックしてみてください。

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ショートドラマとは?人気の理由や企業の成功事例を徹底解説 

ショートドラマの作り方

ショートドラマを制作するときは、以下のような手順で進めていきます。

  • 企画
  • 制作会議
  • 美術・衣装などの打ち合わせ
  • 顔合わせ・本読み
  • 撮影
  • 編集

ショートドラマはテレビドラマよりもコンパクトに制作できるため、手軽に取り組みやすいのが特徴です。

ここからは、それぞれの工程の役割や進め方を解説します。

企画

ショートドラマの企画は、プロデューサーが中心となってストーリーの骨子を構築するところから始まります。トレンドや社会の動き、SNS上での話題性などを意識して、脚本家とともにコンセプトを練り上げます。

短尺で強い印象を残すには、テーマ性や感情の動線を明確にすることが重要です。ターゲット層との親和性を考慮しながら、キャストやジャンル選定も企画段階で検討します。

制作会議

企画が固まったあとは、脚本の第1稿をもとに制作会議を行います。この会議では、ディレクターやプロデューサー、脚本家が集まり、ストーリー構成や演出方針、スケジュールなどを具体化します。

ショートドラマは短尺ゆえにテンポ感や見せ場の配置が重要となるため、細かな演出のすり合わせが大切です。ロケ地や撮影方法もこの段階で検討し、実現可能性を踏まえたうえで制作プランを詰めていきます。

美術・衣装などの打ち合わせ

短時間で作品の世界観を伝えるためには、美術や衣装の演出も重要です。制作チームと美術担当やスタイリストが連携し、撮影コンセプトに合ったセットや衣装を打ち合わせで決定します。

ロケ撮影の場合はロケハン(撮影場所の下見)を行い、雰囲気や情報をチェックして撮影場所を選定します。衣装はキャラクターの印象を左右するため、タイアップやイメージに合わせて選定することがポイントです。

顔合わせ・本読み

ショートドラマの制作では、チーム全体の連携が作品の質を左右します。そのため、制作スタッフ、ディレクター、キャスト、脚本家などが集まり、顔合わせの場でコンセプトや企画意図を共有します。

撮影前には「本読み(読み合わせ)」でセリフのニュアンスや感情の入れ方を確認し、演技の方向性をすり合わせます。限られた時間で伝わる演技を作り込むための大切な工程です。

撮影

いよいよ本番の撮影に入ります。撮影はシーンごとに細かく分けて進行し、各カットの映像をその場で確認しながらクオリティをチェックします。

ショートドラマは短時間で物語を展開するため、演出や表情、間の取り方など細部にこだわった映像が求められます。時間や予算に制限がある場合でも、完成度を高めるためには現場での丁寧な確認作業が欠かせません。

編集

撮影が完了したら、シーンごとの映像素材をつなぎ合わせる編集作業に入ります。物語のテンポや感情の流れを意識しながら、不要な部分をカットし、構成を整えることが重要です。

ショートドラマは限られた時間内で視聴者を引きつける必要があるため、編集の精度が作品の完成度を左右します。BGMや効果音、字幕などもここで加え、視覚・聴覚の両面から印象に残る映像に仕上げていきます。

ショートドラマのストーリーの種類と選び方

ショートドラマでは、短い時間で視聴者の印象に残るストーリー構成が重要です。代表的なストーリーには、以下のようなものがあります。

  • 共感型ストーリー
  • 驚き型ストーリー
  • 感動型ストーリー

目的や視聴者層に合わせてストーリーの型を選ぶことで、心に残る作品を制作できます。各タイプの特徴と選び方をみていきましょう。

共感型ストーリー

共感型ストーリーは、視聴者の感情に寄り添うことで心を動かす構成です。家族や友情、仕事など、日常の何気ない出来事を題材にすることで、視聴者に「自分ゴト」化してもらいやすくなります。

商品や企業に親しみを持ってもらえるため、プロモーションや認知拡大に適しています。また、SNSでのコメントや拡散も期待できるでしょう。

驚き型ストーリー

驚き型ストーリーは、意外性のある展開や予想を裏切る結末で強い印象を残す構成です。冒頭にインパクトのあるシーンを入れたり、最後の数秒で意外なオチやどんでん返しを入れたりすることで視聴者を引きつけます。

驚きと緊張感が長時間の視聴やシェアにつながりやすく、SNS上での拡散やバズを狙いたい場合におすすめです。短時間でインパクトを残せるため、情報の拡散を重視するマーケティング施策に効果的といえます。

感動型ストーリー

感動型ストーリーは、視聴者の心に深く残る演出を軸とした表現が特徴です。家族愛や友情、人生の転機などの普遍的なテーマを扱うことで、多くの人が感情移入しやすくなります。

感動型ストーリーは視聴体験とブランドイメージが結びつきやすく、企業の価値を高める効果が期待できます。あたたかみのある映像や音楽を組み合わせると、より深い感動を与えることができ、企業への愛着や信頼感につながるでしょう。

ショートドラマを活用したマーケティング手法

ショートドラマは、企業が商品やブランドをPRするマーケティング手法としても活用されています。主な手法の例は以下のとおりです。

  • ブランドストーリーテリング型
  • 製品プロモーション型
  • キャンペーン型
  • インフルエンサーマーケティング型

ショートドラマは、映像の力で商品やサービスの魅力を直感的に伝えられ、SNSでも拡散されやすいメリットがあります。ここからは活用のパターンを具体的に解説します。

ブランドストーリーテリング型

ブランドストーリーテリングとは、企業の理念や歴史を物語として伝えることで、視聴者との感情的なつながりを築く手法です。ショートドラマはストーリー性が強いため、視聴者の記憶に残りやすく、ブランドストーリーテリングに適しています。

ショートドラマをブランドストーリーテリングに活用すると、機能価値だけでなく共感や憧れなどの情緒的な価値で商品やサービスを選んでもらえる可能性が高まります。

競合が多い市場でも、物語を通じて独自の世界観やメッセージを伝えることで、ブランドの個性や存在感を際立たせられるでしょう。

製品プロモーション型

製品プロモーション型は、ショートドラマのなかに商品やサービスを自然に登場させることで視聴者に訴求する手法です。

この手法は「プロダクトプレイスメント」とも呼ばれ、広告色を抑えながら製品の魅力や使用イメージを効果的に伝えられます。

物語を通じてPRすることで、視聴者にストレスや抵抗感を与えず、自然に商品への興味を喚起できるのが特徴です。

キャンペーン型

キャンペーン型は、ショートドラマの配信と懸賞やイベントなどの企画を連動させ、視聴者の参加を促す手法です。ドラマの世界観やテーマに合わせたキャンペーンを展開することで、視聴者の関心や熱量を高めることができます。

例えば、視聴者からアイデアやエピソードを募集してSNSに投稿してもらう企画などを行うと、話題性と拡散力の両面で高い効果を得られるでしょう。

インフルエンサーマーケティング型

インフルエンサーマーケティング型は、人気のインフルエンサーをショートドラマに起用し、ターゲット層へのリーチを狙う手法です。熱心なファンによる拡散も期待でき、商品の購買や話題化につながる点が特徴です。

出演するインフルエンサーにとっても認知度を高めるチャンスとなり、相互にメリットのある取り組みといえます。

なお、制作会社によってはキャスティングに制約がある場合もあるため、起用したいインフルエンサーがいる場合は早めに相談しましょう。

ショートドラマ制作の注意点

ショートドラマを制作・公開する際には、事前に配慮すべきポイントがあります。特に注意すべきは以下の2点です。

  • 著作権や肖像権への配慮
  • 炎上リスクの対策

法的トラブルや社会的リスクへの理解を深めることで、安心してショートドラマの制作・配信ができるでしょう。それぞれの注意点を詳しく解説します。

著作権や肖像権に配慮する

ショートドラマの制作では、著作権や肖像権への配慮が欠かせません。脚本・音楽・映像素材・写真などは著作物として保護されており、無断使用は法的トラブルにつながる可能性があります

例えば、屋外での撮影時に一般人が映り込んだ場合、個人が特定できるような映像であれば肖像権の侵害を問われる場合もあります。万が一トラブルに発展すれば、企業の信頼低下にもつながりかねません。

使用する素材は事前に許諾を得るか、権利処理済みのものを選ぶなど、慎重に対応を進めることが重要です。

炎上リスクの対策をする

ショートドラマはSNSでの拡散力が高いため、炎上リスクにも十分な注意が必要です。

具体的には、差別的・不適切な表現の回避はもちろん、事実確認の徹底も欠かせません。脚本の段階から複数人でチェックできる体制を整え、情報の正確性を担保しましょう。

また、批判的な意見が出た際は誠実に対応し、改善に活かす姿勢も大切です。事前に対応マニュアルを用意し、リスク管理体制を整えておくことでトラブルの拡大を防げるでしょう。

ショートドラマを作るなら制作会社への依頼がおすすめ

ショートドラマを効果的に活用するには、専門の制作会社への依頼がおすすめです。ショートドラマ制作は、脚本・撮影・編集・演出など多くの工程で専門性が求められ、内製ではクオリティを維持するのが難しいためです。

ショートドラマ専門の制作会社であれば、市場分析やトレンドをふまえた脚本づくりや、視聴者を引きつける演出が可能です。さらに、高度な撮影・編集技術によって没入感のある映像を生み出すことができます。

特にショートドラマを活用して商品やブランドの訴求力を高めたい企業にとっては、プロによる戦略的なサポートが成功のカギとなるでしょう。

nowhere filmはショートドラマ特化の制作プロダクションです。TikTokなどのSNS向け縦型動画をはじめ、30話以上のアプリ課金型や横型対応の動画など、映像の質とマーケティング視点を両立させた作品づくりを行っています。

  • 課金型ドラマ作品300話以上の制作実績あり
  • コメディ・恋愛・ホラーなど多彩なジャンルに対応
  • SNS・ショートドラマアプリなど配信先に応じた制作・企画が可能

「ショートドラマ制作を検討している」「自社に合った作品や配信方法が知りたい」という方は、ぜひ以下のボタンよりお気軽にお問い合わせください。

ショートドラマの作り方をおさえて魅力的な作品を制作しよう

短い時間で強い印象を与えられる表現手法として、注目を集めているショートドラマ。企画から編集までの流れやストーリーの選び方を理解することで、完成度の高い作品づくりにつながります。

不安がある場合は、専門の制作会社に相談すると、より効果的なショートドラマを制作できます。目的に応じた活用方法や注意点をふまえて、視聴者の心を動かすショートドラマづくりに挑戦してみましょう。

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酒井 大輝|nowhere film代表

ショートドラマ制作会社 nowhere film 代表。広告・エンタメ領域で多数の映像コンテンツを手がけ、企業の映像戦略やショートドラマ制作を支援。大手企業やスタートアップのブランディングに携わり、映像を活用したマーケティングを得意とする。シーシャバーやワインバーなど、場づくり事業も展開。

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