- ショートドラマ制作
ショートドラマ広告とは?メリット・デメリットや成功事例を解説

- 最終更新日:2025/04/23
- 公開日:2025/03/05
近年、ショートドラマを広告として活用する方法が注目を集めています。ショートドラマは物語の中で自然に商品をPRでき、広告に抵抗感を持つ若い世代に受け入れられやすいという特徴があります。
しかし、ショートドラマ広告はまだ新しい手法のため、「他の広告との違いが分からない」「他社がどのように活用しているか知りたい」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ショートドラマ広告の概要、他の広告と比較したときのメリット・デメリットや成功事例などを解説しています。ショートドラマを広告として活用したい方は、ぜひご覧ください。
目次
ショートドラマ広告とは
ショートドラマ広告とは、ショートドラマを通じて商品やサービスのプロモーションを行う手法です。
そもそもショートドラマとは、短時間でストーリーを展開する動画コンテンツのこと。TikTok・Instagramリール・YouTube ショートなどの縦型動画プラットフォームで多く投稿されています。
ショートドラマは中国で流行し、2024年頃から日本でも人気が拡大。この人気に着目し、ショートドラマを広告として活用する企業が増えてきました。
ショートドラマでは、ストーリーの中に商品やブランドを自然に登場させることができます。そのため、視聴者に物語を楽しんでもらいながら、商品の認知度やブランドの好感度向上を目指せます。
実際に、「TikTokのショートドラマ広告に対する印象を教えてください」というアンケートでは、Z世代の約86%がTikTokのショートドラマ広告にポジティブな印象を持っていることが分かっています。(※)
ショートドラマ広告のメリット
ショートドラマを広告として活用する主なメリットは、以下の3点です。
- 広告感が薄く、スキップされにくい
- オーガニック投稿でもバズを狙える
- 商品やサービスの利用シーンをイメージしてもらいやすい
以下で詳しく見ていきましょう。
広告感が薄く、スキップされにくい
ショートドラマは、映画やドラマのようなストーリー性のある内容が多いため、広告感が薄く、スキップされにくい点がメリットです。
ショートドラマを広告として活用する場合、ストーリーに自然な形で商品を入れ込む「プロダクトプレイスメント」という手法が多く用いられます。この手法により、従来の広告のような宣伝感を出さず、商品を自然にアピールできるのがショートドラマの優れた点です。
オーガニック投稿でもバズを狙える
ショートドラマは、オーガニック投稿でも「バズ」を狙える点が強みです。
一般的なWeb広告は、企業がクリエイティブを制作し、広告費をかけて出稿します。一方、ショートドラマをオーガニック投稿として公開した場合、広告費はかかりません。
フォロワー数が少ない企業アカウントの場合、「広告費をかけないとユーザーに見てもらえないのでは?」と不安に思うかもしれません。
しかし、TikTokには「おすすめ」フィードという機能があります。おすすめフィードはユーザーの興味関心に合わせてパーソナライズされ、フォローしていないアカウントも表示されます。
おすすめフィードに表示されると、フォロワー数が少ないアカウントでも多くのリーチを生み出すことができ、バズを狙えます。
商品・サービスの利用シーンをイメージしてもらいやすい
ショートドラマは1~3分程度の作品が多く、広告としては尺がやや長い点も特徴です。YouTubeのバンパー広告は6秒、通常のテレビCMは15~30秒が一般的です。
ショートドラマは他の広告と比べて尺が長い分、企業側のメッセージを伝える時間が十分にあります。また、商品やサービスを実際に使用しているシーンも長く入れられるため、視聴者にリアルな使用イメージを持ってもらいやすくなります。
ショートドラマ広告のデメリット
ショートドラマを広告として活用する際のデメリットは、以下の2点です。
- 届けられる層が限られる
- 売上につながるとは限らない
商品やサービス、ターゲット層によっては、ショートドラマの活用が適切ではない場合もあります。デメリットも理解したうえで、ショートドラマ広告をうまく活用しましょう。
届けられる層が限られる
ショートドラマは基本的に縦型の動画をメインとしており、スマホユーザー向けに作られています。そのため、スマホを使わない人には視聴されにくく、情報が届きづらい可能性があります。
国内向けのショートドラマ配信アプリ「BUMP」を運営するemoleによると、同アプリの主なユーザーは10代が19%、20代が56%と、特に20代の利用率が高いのが特徴です。また、男女別のユーザー割合は男性が31%、女性が69%となっています。(※)
自社の商品やサービスが別の層をターゲットとしている場合、必ずしもショートドラマ広告の活用が適切とはいえません。
※出典:emole株式会社のプレスリリース|ショートドラマ配信アプリ「BUMP」Z世代女子を中心に大反響
売上につながるとは限らない
ショートドラマは多くのリーチを生み出せる反面、売上につながるとは限りません。「ドラマは多くの人に視聴されたものの、ビジネスの成果には結びつかなかった」というケースもあります。
しかし、ある調査ではTikTokユーザーの3人に1人が「TikTokがきっかけで商品・サービスの購入や申し込みをしたことがある」(※)と答えています。ショートドラマ広告をうまく活用すれば、ユーザーの購買行動を促すことは可能です。
単なる「バズ」で終わらせず、商品・サービスの認知度向上や売上アップにつなげるには、マーケティング視点を持ってショートドラマ制作に取り組むことが重要です。
ショートドラマとその他の広告の比較
ここからは、テレビCM、WebCM、SNS広告について、ショートドラマの特徴と比較しながら解説します。それぞれのメリット・デメリットを知り、自社の目的に合った広告施策を選びましょう。
テレビCMのメリットとデメリット
テレビCMには、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | ・幅広い年齢層にリーチできる ・信頼感を与えられる ・視覚・聴覚の両方から訴求できる |
デメリット | ・コストが高く中小企業には制作が難しい ・ターゲティングの精度が低い ・制作に時間がかかる ・効果測定が難しい ・放映できる秒数が短い |
テレビCMの大きなメリットは、幅広い年齢層に視聴してもらえることです。その反面、制作コストが高いことや、詳細なターゲティングができない点がデメリットとなります。
また、映像と音声の両面から情報を提供できる点もテレビCMの特徴です。ショートドラマは、音声を聞かずに視聴するユーザーもいるため、映像のみでも楽しめる内容にする、または字幕を活用するなどの工夫が必要になります。
WebCMのメリットとデメリット
WebCMは、YouTubeやSNSなど、インターネット上で配信される動画広告です。WebCMには以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | ・ターゲティングの精度が高い ・効果測定が容易 ・PDCAを回せる |
デメリット | ・広告感が強くスキップされやすい ・制作コストが高い ・スマホとパソコンの両方に対応しなければならない |
WebCMのメリットは、ターゲティングの精度が高く、効果測定がしやすい点です。ショートドラマは、オーガニック投稿で配信する場合、ターゲティングの精度が低くなる場合があります。
一方で、WebCMは広告感が強く、ユーザーにスキップされやすい点がデメリットです。
SNS広告のメリットとデメリット
SNS広告は、Facebook・Instagram・X(旧Twitter)などのSNSに配信する広告のことです。動画に限らず、画像やテキストなど幅広いバリエーションがあります。
メリット | ・安価で出稿できる ・クリエイティブの制作が容易 ・PDCAを回せる |
デメリット | ・広告感の強いものが多い ・ストーリー性がなく印象に残りづらい ・競争が激しい ・潜在層には届きにくい |
SNS広告はテキストや画像をメインとした広告が多いため、手軽に制作できる点がメリットです。
その反面、テキストや画像だけではユーザーの興味を惹くことが難しく、ショートドラマと比べて印象に残りづらい可能性があります。また、検索キーワードをもとにターゲティングを行う場合、潜在層には届きにくい点もデメリットです。
ショートドラマ広告の成功事例
ここからは、ショートドラマを広告として活用した企業の成功事例を紹介します。
- Canva『サプライズの寄せ書きが本人にバレそう』
- カルビー『あげりこ学園』
- 群馬県 tsulunos『結婚したい男と別れたい女in群馬』
Canva『サプライズの寄せ書きが本人にバレそう』
『サプライズの寄せ書きが本人にバレそう』は、デザインツールCanvaの使い方をストーリー仕立てで紹介する動画です。再生回数は2,600万回を超え、2万いいねを獲得しています。(2025年3月時点)
同作は「Canvaはビジネス向けで難しい」というイメージを払拭し、誰でも簡単に使えるツールだと印象づけることに成功しました。従来の企業イメージとは異なる切り口でのストーリー展開で、ショートドラマらしさを生かしたプロモーションになっています。
カルビー『あげりこ学園』
『あげりこ学園』は、カルビーのロングセラー商品「じゃがりこ」をテーマにした動画です。じゃがりこをプレゼントする「あげりこ」を広めることを目的に、Z世代向けのストーリーを展開しています。
同アカウントの総再生回数は380万回を超え、総いいね数は27万回を記録。(※2024年1月時点)Z世代に人気のTikTokクリエイターを起用し、共感を得やすい内容にすることで、ターゲット層へのリーチに成功しました。
※出典:テテマーチ株式会社のプレスリリース|総再生回数380万回超の人気企画の続編が始動!TikTokショートドラマ 『あげりこ学園-卒業篇-』
群馬県 tsulunos『結婚したい男と別れたい女in群馬』
『結婚したい男と別れたい女in群馬』は、群馬県が公式に制作したショートドラマです。群馬の観光スポットを巡りながら恋愛ストーリーが進む内容で、自治体によるショートドラマの活用例として話題になりました。
同作はTikTok、YouTube、Xにて公開され、2024年2月の投稿以降、600万回再生(※)を突破。自治体プロモーションの新しい方法として関心を集めています。
各動画には、「今度行ってみたい」「群馬に来てくれてありがとう」などのポジティブな意見が寄せられ、コメント欄でのやり取りが盛り上がるという効果も生まれているそうです。
※出典:地方創生とDXが拓く未来 〜防災・SNS、ショート動画による行政情報発信〜
ショートドラマ広告を成功させるポイント
ショートドラマ広告を成功させるポイントは、以下の2点です。
- コメントしたくなる動画づくりを目指す
- マーケティング視点を持った会社に依頼する
映像としての面白さとマーケティング視点を両立させ、成果につながるショートドラマ広告を制作しましょう。
コメントしたくなる動画づくりを目指す
ショートドラマ広告を成功させるには、動画を多くの人に見てもらう必要があります。そのため、ユーザーが手を止めて見たくなるおもしろい動画であることが大前提です。
特に、思わずツッコミを入れたくなる、考察してSNSで議論したくなるなど、ユーザーがコメントしたくなる要素を入れることで、自然に動画の拡散を促せます。
マーケティング視点を持った制作会社に依頼する
ショートドラマ広告を成功させるには、マーケティング視点を持ったショートドラマ制作会社に依頼することも重要です。
「ショートドラマ広告のデメリット」で解説したとおり、ショートドラマがバズっても、必ずしも売上につながるとは限りません。商品・サービスの見せ方、購入や問い合わせへの導線づくり、ドラマ以外のプロモーションとのかけ合わせなど、さまざまな工夫が必要です。
映像のクオリティはもちろん、マーケティング視点も意識してショートドラマを制作できる会社に依頼しましょう。
ショートドラマ広告を活用して売上や認知拡大につなげよう
この記事では、ショートドラマを広告として活用する際のメリットやデメリット、成功事例などを解説しました。
ショートドラマは、従来の広告と比べてスキップされにくいことから、次世代の広告手法として注目されています。しかし、ショートドラマ市場は比較的新しく、実績や費用感、そしてマーケティング視点のバランスが取れた制作会社を探すことは容易ではありません。

nowhere film株式会社では、映像のクオリティとマーケティング視点を両立させたショートドラマ制作が可能です。ショートドラマを広告として活用したい方は、ぜひ以下のボタンよりお問い合わせください。

酒井 大輝|nowhere film代表
ショートドラマ制作会社 nowhere film 代表。広告・エンタメ領域で多数の映像コンテンツを手がけ、企業の映像戦略やショートドラマ制作を支援。大手企業やスタートアップのブランディングに携わり、映像を活用したマーケティングを得意とする。シーシャバーやワインバーなど、場づくり事業も展開。