AIを活用したショートドラマ事例6選!企業の活用方法と制作のポイントを解説

AIを活用したショートドラマ事例6選!企業の活用方法と制作のポイントを解説
  • 最終更新日:2026/09/25
  • 公開日:2026/09/25

生成AIの進化により、ショートドラマ制作の現場でもAIの活用が広がっています。例えば、これまで実写での撮影が難しかったシーンの映像化や、VFX、企画・脚本づくりなど、AIの活用方法はさまざまです。

しかし、企業がAIショートドラマを活用する場合、映像のクオリティに加え、ブランドイメージや著作権などにも配慮する必要があります。

そこで本記事では、AIを活用した日本のショートドラマの事例6選をはじめ、企業における具体的な活用方法や制作時の注意点を解説します。AIを活用し、これまで撮影が難しかった映像表現に挑戦したい方は、ぜひ参考にしてください。

海外を中心にAIを活用したショートドラマ制作が普及している

生成AIの進化により、ショートドラマの領域でもAIの活用が急速に広がっています。特にショートドラマが普及している中国では、2026年上半期に公開されたショートドラマのうち、7割超がAI製だったというデータもあります。(※)

また、現在のAI活用は、動画そのものを生成するだけではありません。実写では撮影が難しいシーンをAIで生成する、実写映像にAIによるVFX(視覚効果)を組み合わせる、企画・脚本づくりに活用するなど、目的に応じた使い分けが進んでいます。

※出典:日本経済新聞|中国ショートドラマ、7割超がAI製に 広告モデルの言動が炎上も

AIを活用した日本のショートドラマ事例6選

AIを活用したショートドラマは、日本国内でも登場しています。ここからは、実際にAIを活用して制作されたショートドラマの事例を6つ紹介します。

AIを映像制作に取り入れる際のヒントとして、ぜひ参考にしてください。

1. KDDI×NewsPicks『しまうま劇場』|撮影困難なカットをAIで映像化

KDDIとNewsPicksが展開する縦型ショートドラマ『しまうま劇場』では、2026年のバレンタイン企画を皮切りに、生成AIを活用した映像制作が導入されました。

特徴は、作品全体をAIで制作するのではなく、安全性やコンプライアンス、撮影環境などの理由から、実写では撮影が難しいシーンに限定してAIを活用していることです。交通事故のシーンをはじめ、食品廃棄を想起させる描写、モノの汚損・破損をともなう演出などを、生成AIによって映像化しています。

役者やスタッフの安全確保などの面から、これまで撮影できなかったカットをAIで生成することで、表現の選択肢を広げた事例です。

2. 群馬県『ミカと不思議なグリーンデール』|実写×生成AIで“異世界”を表現

『ミカと不思議なグリーンデール』は、群馬県の協力のもとTBSスパークルが制作した全10話のショートドラマです。

群馬県内の実在するロケーションで撮影した映像に、生成AIを活用したVFXを組み合わせ、独自の世界観を表現しています。

ポイントは、実写ならではのリアリティを残しながら、AIによって現実にはない表現を加えていることです。見せたい対象は実写で撮影し、周囲の世界観をAIで拡張することで、リアリティを保ちながら表現の幅を広げています。

3. ytvメディアデザイン『サヨナラ港区』|映像素材をすべて生成AIで制作

『サヨナラ港区』は、ytvメディアデザインが制作した縦型ショートドラマです。オリジナル脚本を元に、映像素材をすべて生成AIで制作しています。

ただし、制作過程のすべてをAIに任せているわけではありません。生成した映像素材は人間が編集し、登場人物のセリフには声優によるアフレコを採用。効果音や音楽なども組み合わせながら、一つのドラマとして仕上げています。

実写撮影を前提としないため、現実には存在しない場所や出来事なども映像化しやすい点が特徴です。

4. TapNow AI×スムージースタジオ|全編AIでも完成度を重視

TapNow AIとスムージースタジオは、2026年に全編AI生成によるショートドラマを共同制作しています。

本事例のポイントは、生成AIを活用しつつも、構成や演出など、作品全体のトーンは人が設計していることです。生成した素材をそのまま使用するのではなく、作品としての完成度を意識して制作されています。

企業がAIショートドラマを活用する場合も、ブランドや企画意図に合ったクリエイティブに仕上げられるかどうかが成果を左右するポイントとなるでしょう。

5. B4B『約束』|AIドラマに商品が自然に登場

『約束』は、B4Bが化粧品メーカー向けに制作したAIショートドラマです。ストーリーのなかに商品を自然に登場させる、プロダクトプレイスメントの手法を取り入れています。

企業がAIショートドラマを活用する場合、AIならではの派手な映像表現を見せることが目的ではありません。視聴者が物語を楽しむなかで、商品やブランドに自然と触れられる設計が重要です。

AIを広告クリエイティブに取り入れながら、商品をどのようにストーリーへ組み込むかを考えることで、企業プロモーションとして活用できる可能性が広がるでしょう。

6. FANY×Google Gemini『飛べない恋とふたご座の君』|脚本づくりに生成AIを活用

FANYがGoogle Geminiとともに制作した『飛べない恋とふたご座の君』は、全11話の縦型ショートドラマです。

この作品では、ドラマのあらすじ制作の一部に生成AI「Gemini」を活用しています。AI活用というと映像生成をイメージしがちですが、企画や脚本など、撮影前の工程にも取り入れられることが分かる事例です。

AIから得たアイデアを元に人が企画や演出を磨いていくことも、ショートドラマ制作におけるAIの活用方法の一つです。

事例から分かるショートドラマのAI活用方法

ご紹介した事例からも分かるように、生成AIによって実写では難しい表現を補ったり、制作工程を効率化したりと、目的に応じてさまざまな使い方が可能です。

ここでは、ショートドラマ制作にAIを取り入れる際に考えられる、主な活用方法を紹介します。

  • 実写では撮れないシーンをAIで実現する
  • 実写とAIを組み合わせて世界観を広げる
  • 制作工程を効率化して複数パターンを展開する
  • 企画・脚本・完成イメージの検討にAIを使う

実写では撮れないシーンをAIで実現する

生成AIを活用すれば、事故や災害などの危険をともなう演出、大規模なロケーション、現実には存在しない世界など、実写では撮影が難しいシーンを映像化できます。

従来の映像制作では、撮影上の制約から企画段階で表現を変更したり、諦めたりするケースもありました。AI活用により、これまでは撮影が難しかった表現も実現できる可能性が広がります。

実写とAIを組み合わせて世界観を広げる

人物や商品、施設などを実写で撮影し、背景や特殊なシーンのみをAIで生成するなど、実写とAIを組み合わせる方法もあります。すべてをAIで生成するわけではないため、実在する商品や場所を見せつつ、現実にはない世界観を加えられることがメリットです。

群馬県の『ミカと不思議なグリーンデール』も、実際のロケーションと生成AIによるVFXを組み合わせた事例です。

企業のプロモーション映像でも、「商品そのものは実写で正確に見せたいが、周囲の世界観は大胆に演出したい」といった場合に活用できるでしょう。

制作工程を効率化して複数パターンを展開する

生成AIを活用することで、映像素材を生成したり、既存のクリエイティブを元に複数のパターンを検討したりしやすくなります。

例えば、縦型・横型など媒体に合わせたフォーマットの展開も、AIを活用すれば制作工程の効率化が期待できます。特に広告にショートドラマを活用する場合、一つのクリエイティブを作って終わりにするのではなく、複数のパターンを検証しながら反応を見て改善していくことが重要です。

ただし、「AIで安く大量に作ること」を目的にすると、質が低下してしまうリスクもあります。「AIによる効率化で生まれたリソースを検証や改善に充てる」という考え方がポイントです。

企画・脚本・完成イメージの検討にAIを使う

生成AIは、完成映像を作る工程だけではなく、企画や脚本など制作初期の段階でも活用できます。

FANY×Google Geminiの事例のように、あらすじやプロットのたたき台をAIで作るほか、広告代理店などの場合はクライアントへの企画提案時にもAIを活用できます。絵コンテや文章だけでは伝わりにくい表現を簡易的な映像にすることで、関係者間で完成イメージを共有しやすくなります。

AIをアイデア出しや試作のツールとして活用し、その結果を元に人の視点で企画をブラッシュアップすることで、意思決定をスムーズに進められるでしょう。

企業がAIショートドラマを活用するときの注意点

生成AIは使い方次第でショートドラマ制作を効率化できますが、導入の仕方を誤ると、本来の意図とは異なる映像が生成されてしまうこともあります。特に企業が活用する際は、ブランドイメージや意図とのズレは大きなリスクにつながります。

ここでは、企業がショートドラマ制作にAIを活用する場合の注意点をまとめました。

制作にスキルやノウハウが必要

そもそもショートドラマならではの見せ方を理解していなければ、たとえAIを活用しても期待する完成度には届きません。限られた尺のなかで視聴者の興味を引き、ストーリーに引き込むには、構成の組み立て方や間の取り方、感情の動かし方などへの配慮が必要です。

例えば、ショートドラマでは最初の数秒間が重要です。冒頭でインパクトを残せなければ、視聴途中で離脱される可能性が高まります。場面転換のタイミングやセリフの温度感、視線誘導を意識したカメラワークなど、AIだけでは細かな演出を調整できないことも多いでしょう。

加えて、AIを扱うための知識も重要なポイントです。入力する指示文の内容があいまいな場合、意図から外れた映像が生成されやすくなります。精度を高めるためには、言葉選びや指示文の工夫、事前の検証と調整が欠かせません。

著作権を侵害するリスクがある

生成AIを利用する際は、生成した映像が既存の著作物と類似していないかを確認する必要があります。AI生成物であっても、既存作品との類似性などによっては著作権侵害が問題となる可能性があるためです。

また、著作権だけでなく、肖像権などの権利侵害にも注意が必要です。実際にAIで制作したショートドラマが普及している中国では、AI生成された登場人物が実在の俳優と酷似するケースが指摘されています。また、有名俳優の顔や声を無断で使用した作品が流通し、所属事務所が法的対応を予告する事例も出ています。

特に企業がビジネス目的で利用する場合、こうした権利侵害が法的なトラブルにつながる恐れもあるため、慎重な判断が必要です。

出典:Yahoo!ニュース|「韓ドラをまねたら顔まで似てきた」…1日5本ずつ量産する中国「ショートドラマ」(中央日報日本語版)

人の手によるチェックや修正が不可欠

クオリティの高いショートドラマ制作には、人の手によるチェックや修正が不可欠です。

生成AIは便利な一方で、内容の正確性や一貫性が保証されているわけではありません。ストーリー展開に矛盾が生じたり、登場人物の性格や設定が途中で変化したりと、違和感のある動画が生成されることもあります。時系列が混乱するなど、内容の整合性が取れなくなるケースも少なくありません。

また、現実では起こり得ない動きや不自然な演出が紛れ込むことがあります。完成前には必ず人の目で全体を確認してから、内容を調整する工程が必要です。

ショートドラマ制作におけるAI活用の今後

生成AIの進化により、ショートドラマ制作の現場でも活用の幅が広がっています。中国を中心に海外では生成AIを活用した映像制作会社も登場しており、日本でも生成AIを取り入れたショートドラマが制作されるなど、実用段階へと移行しつつある状況です。

ショートドラマを中心に映像制作を多く手がけるnowhere filmでも、生成AIを活用しています。AI活用によって、撮影条件や予算、制作期間などの制約によって従来では難しかった映像表現が可能になるなど、多くのメリットが生まれています。

一方で、AIだけで企業が求める品質やブランド表現を備えたショートドラマを完成させることは現状難しく、人が企画・演出・編集などの品質管理に関わるケースが一般的です。

特にブランドの世界観や共感できるストーリーを表現するには、人の判断や感性が欠かせません。人の目や手を入れながら、より良い作品を生み出すためのサポーターとしてAIを活用することが現実的な使い方といえるでしょう。

今後さらに技術が進歩すれば、AIによる映像制作はさらに一般化していくかもしれません。一方で、人の手でつくられた物語や演出の価値が相対的に高まる可能性も考えられます。

AI映像制作なら「CINEMAI(シネマイ)」

シネマイ

AIを活用した映像制作に興味のある方は、nowhere filmが提供する「CINEMAI(シネマイ)」をご検討ください。

CINEMAIは、実写・アニメーション・3DCG・AIを横断して映像を企画・制作するサービスです。映像ディレクターの崔文駮(さい ぶんはく)氏と提携し、ブランドや事業の目的から逆算して企画や制作方法を設計します。

  • AIだけに限定せず、実写・アニメーション・AIなどを横断して映像を制作
  • 企画・ビジュアル開発から制作、編集まで一貫して対応
  • 内容によっては約3週間での制作や複数案件・シリーズ制作の並行対応が可能
  • 縦型・横型、尺違いなどのマルチフォーマットにも対応

また、企業案件で欠かせない生成物の利用範囲、制作データの取り扱い、権利や機密情報などは各工程で人が判断・管理し、品質を担保します。

実写では映像化が難しかった表現を形にし、事業の成果につなげたい方は、ぜひ以下のボタンからお問い合わせください。

AI活用でこれまでできなかった映像表現を実現しよう

生成AIの進化により、ショートドラマ制作の可能性は大きく広がっています。全編をAIで生成するだけではなく、実写では撮影が難しいシーンを補ったり、VFXに活用したり、企画・脚本づくりを効率化したりと、目的に応じたさまざまな使い方が可能です。

一方で、AIを導入すれば自動的に質の高い映像が完成するわけではありません。視聴者を引き込む企画や演出、ブランドに合った表現、権利面への配慮など、人によるディレクションやチェックも重要です。

AIを使うこと自体を目的にするのではなく、これまで予算や撮影条件などの制約で諦めていた表現を実現するための手段として生成AIを活用してみてはいかがでしょうか。

生成AIによる映像制作やショートドラマのノウハウが自社にない場合は、専門の制作会社に相談するのがおすすめです。マーケティング戦略にも強みを持つnowhere filmの「CINEMAI(シネマイ)」なら、ビジネスの成果につながる映像制作が可能です。ぜひご相談ください。

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酒井 大輝|nowhere film代表

ショートドラマ制作会社 nowhere film 代表。広告・エンタメ領域で多数の映像コンテンツを手がけ、企業の映像戦略やショートドラマ制作を支援。大手企業やスタートアップのブランディングに携わり、映像を活用したマーケティングを得意とする。シーシャバーやワインバーなど、場づくり事業も展開。

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